貴金属めっきは装飾めっきとしてスタートしましたが、この分野は“個別の工芸品”をめっきすることが要求され、製品の規格もあいまいな分野です。
当社は発足以来、個別の工芸品よりも規格が明確な電子デバイスの方が有望との見地から、エレクトロニクス分野に焦点を絞って開発、マーケッティングを行って来ました。工芸品、装飾分野に特別の足がかりがない会社でも、特徴あるめっき皮膜物性、安定した浴運転が可能なめっき液を供給すれば、エレクトロニクス業界でも認知されるとの信念が当社のバックボーンとなっております。
このためには、めっきを工芸としてではなく、化学反応として捉えることが必要で、当社は同業他社に先駆けて、最新の分析装置を導入し、めっきに化学のメスを入れることを心がけて来ました。このような科学的なメスは半導体メーカーと接触する際、非常に有効です。半導体メーカーの技術責任者でめっきの経験のある人は非常に少なく、物理とか化学の言葉で当社製品を説明しないと理解してくれません。
めっきを化学的、物理的に解析することは、製品の売り込みだけでなく、安定運転のためにも重要です。日本のめっき現場を支えてきた熟練工が少なくなり、一方、めっきの工場は日本から東南アジアに移転するケースが増えています。トラブルが起こったときに、熟練工がいなくても対応できるようなマニュアルを用意するには、めっき薬を化学分析的に把握し、正しい化学組成に補正することが必須になります。
当社はこのような理由から、今後ともめっきを物理、化学的に解析しながら、エレクトロニクス業界に焦点を絞った経営を行う所存です。 |