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電子公告
トップインタビュー
代表取締役会長 渡辺雅夫  代表取締役社長 清水茂樹

皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
ここに、2010年3月期(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)における事業の概況等についてご報告申し上げます。

当期のわが国経済は大型景気刺激策とアジア向け輸出回復に支えられて最悪期を脱し回復に転じました。しかし政権交代による補正予算凍結や国家予算の全面見直しをはじめ経済政策の大転換で先行き不透明感が漂い、企業の設備投資や家計の消費マインドが冷え込み、株価の回復が主要国で最も遅れるなど、景気は極めて緩慢な動きに終始しました。
電子部品業界におきましては、一昨年の世界同時不況の後、Windows7搭載パソコンや薄型テレビに加えて、ネットブックPC、タブレットPC、スマートフォンなどの新しい市場セグメントが牽引役となり、半導体などの需要回復が鮮明になってきました。
当社におきましては、顧客の慎重な在庫管理などにより例年の年末商戦に向けた需要増はあまり見られなかったものの、ネットブックPC、スマートフォン、薄型テレビなどの需要増に支えられ、めっき薬品の販売は総じて堅調に推移致しました。その結果、売上高は8,087,037千円(前期比0.7%減)でしたが、営業利益は1,329,436千円(前期比23.3%増)、経常利益は1,370,631千円(前期比22.5%増)、当期純利益は804,872千円(前期比100.5%増)となりました。
なお、保有有価証券のうち時価が著しく下落したものについて投資有価証券評価損19,522千円を特別損失として計上しております。

以上のとおり、当社を取り巻く環境は着実に回復しつつありますが、従前のレベルにはまだ到達しておりません。
当社としましては、既存製品の改良や新製品の拡販に全社を挙げて取り組み、本格的な市況の回復の際の飛躍的発展を期して社員一同で事業遂行に全力を注いでまいる所存であります。

皆様におかれましては今後共益々のご支援をお願い申し上げます。

平成22年4月

代表取締役会長 渡辺雅夫  代表取締役社長 清水茂樹

私どもは、21世紀の化学企業は、ケミストリー(化学)を基礎に、科学的に理論武装した製品で高機能・高収益を競うファインケミカルであると認識しております。
特に電子材料は日本の化学メーカーが世界市場を牽引しており、当社の貴金属めっき薬品も電子材料の範疇に属します。貴金属めっき薬品メーカーとして世界で高い評価を受けるファインケミカルメーカーを目指すという従来の中期目標は2010年以降も当社の目標として継続して行きます。
従来の中期目標との違いは、MBO以降の10年間にスタートしたいくつかの基礎研究テーマが進展し、新製品の開発・市場テスト段階に到達した事情を考慮し、これらの成果を如何に有効な新製品として市場に送り出すか、知的財産は如何にして守って行くか、社内ルールを明確化したことです。

中期経営計画
代表取締役社長 清水茂樹

研究開発は技術部が担当する業務ですが、開発された新しいめっき薬品を使って試作された電子部品がデバイスメーカーで良好な評価結果が得られ、更にその電子部品を実装した電子機器がセットメーカーで問題がないと認定された時、新しいめっき薬品は拡販に移行します。どの分野にどのような価格で拡販して行くかは営業部が担当する業務です。技術部から営業部への新製品の引き継ぎがスムースに行われるように最初の認定が得られた時点で性能確認会議を役員、各部長、開発担当者、営業担当者を集めて行い、新製品の特長、価格、拡販分野、出荷検査などにつき意思統一を計ります。
性能確認会議が年に何回開催できるか、それが当社の経営にどの程度寄与したかが、当社のファインケミカル企業としての実力を計る尺度となるでしょう。
2010-2012年中期計画では、過去5年間に認定された新製品のもたらす利益が、全社利益の20%以上であることを目標にしています。
かなり厳しい目標ですが、若い技術者がこの目標に向かって挑戦してくれるものと期待しています。

まず人材の採用と配属ですが、当社はまず技術部門に配属させ当社の製品知識を勉強してもらっています。この経験は将来、技術部門だけではなく、営業部門、製造部門、管理部門で働くためにも有効です。MBO以降優秀な新卒を採用することが出来、現在では全社員の2/3が技術部門の経験者になりました。技術系経験者はこの間、技術部以外にも異動し、営業部の拡販活動や技術サービス活動、購買部の原材料コストダウン活動などのキーパーソンとして活躍するようになっております。

各部門の成果としては、まず技術部門ですが、2006-2009年の最大の成果は、新規化合物の探索――>量産合成――>環境テスト――>既存化合物登録――>新製品への導入――>市場評価――>顧客認定というファインケミカル製品としての代表的なR&Dプロセスを経てBAR7が上市され、コネクター業界で大好評を博したということです。この経験は化学物質の環境問題にも配慮しながら、新製品を能率よく開発・上市して行く為に大いに役立つものと期待しております。

営業部門につきましては、技術部門の経験者を営業技術部に抜擢する体制に変わりはありません。エレクトロニクス業界のニーズを素早くキャッチし、これを新製品上市に結び付け、かつデファクトスタンダードとするという従来の戦略も継続して行きます。2006-2009年中期計画では、貴金属めっき薬品の市場は国内から次第に東南アジアに移って行くという見方をしておりましたが、ほぼ予想通りになり、これに伴い中国の深川と台湾の台北に駐在員事務所を設置し、30歳付近の若い駐在員を派遣しました。成長する東南アジア業界のニーズ把握、新製品の拡販の為に活躍してくれるものと期待しております。

管理部門につきましては、内部統制システムの本格稼働が2009年から始まりました。
技術部からQC(品質管理)責任者を購買部に抜擢する異動により、当社の購入原材料のコストダウンを達成できたのも2009年度の成果です。今後とも少数精鋭を人事政策のモットーにフラットで機動性のある管理組織と内部統制システムとの両立をはかっていきたいと思います。各自の専門性を高めつつローテーションにより業務スパンの拡大を目指して参ります。

製造部門については、外注を有効に使うことにより少数精鋭を維持する方針は従来通り維持して行きます。新規化合物・貴金属化合物などはNDA(秘密保持契約)の下で外注合成を行って行きます。当社で行う製造業務はフォーミュレーション(混合)だけにすることにより、製造固定費を削減して行きます。

以下のテーマはいずれも1999年のMBO以降にスタートし、5年−10年間の基礎研究を経て、開発の終盤(市場評価・認定)に近づいたものです。いずれも主要製品を世代交代させうるパフォーマンスを有し、今後の増益のコアになることが期待されています。

@ 電解金めっき技術
2005年にスタートし、2008年に製品化されたBAR7は、2009年は主に国内顧客にて認定作業が進み、当社の硬質金めっきの利益向上に寄与するようになりました。併せて、海外市場への拡販を目的に開発担当者を深川に駐在員として派遣しましたので、2010年はスマートフォーンの拡大に伴い、更に利益向上に寄与するものと期待されています。

A 電解パラジウム技術
2003年にスタートしたPPF(Ni/Pd/Auめっき)リードフレームに使用されるNANO2浴は、6年間の研究開発により2009年、やっと認定に漕ぎ着ける ことが出来ました。リードフレームの世界市場でのPPF化率は約20%といわれており、2010年以降の市場拡大が期待されています。

B 無電解パラジウム/金技術
高精細のワイヤーボンディング型BGAパッケージ用に使用されることが期待されている無電解パラジウム/金めっきは2004年にスタートし、2009年から市場テストが始まりました。フリップチップパッケージよりもライン・スペースが細かいスマートフォーンなどのパッケージ用に評価が行われており、2010年までには認定されることが期待されています。

C 無電解卑金属技術
当社は卑金属めっき製品は製造・販売していませんでしたが、還元型無電解スズめっきは、過去にどの薬品メーカーも開発に成功したことがないことから2005年に探索テーマとしてスタートしました。2009年から用途開拓も兼ねて色々の電子部品会社に評価を依頼し、どのような分野への応用が適しているか市場を探索中です。顧客の方も試行錯誤で評価をしている段階ですが、これが完成した時点では当社製品が使われる電子部品の幅も広がるものと期待されています。

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