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第1回
ポイント
     

今回は

無電解めっきは電気めっきに対応する表現であり、文字通り外部電源を必要としないめっき法。
外部電源を用いない金属析出法としては、金属の標準酸化還元電位(イオン化傾向)の差を利用する置換めっきと還元剤を利用する還元めっきの2つが良く知られているが、今回は置換めっきについて説明しよう。

 
  解説
置換めっき
携帯電話のマザーボードに行われる無電解ニッケル金めっきを例にとり置換めっき反応について説明します。
この反応はイオン化傾向の大きい金属(ニッケル)とイオン化傾向の小さい金属(金)の間で電子の授受が行われることによるものです。

 被めっき物(Ni → Ni2+ + 2e- ) めっき浴にイオンとなって溶出
 溶液中のイオン (Au+  + e- → Au) めっき浴から金属として析出

置換めっきは被めっき物の表面が析出した金属(金)で覆われると反応が停止するため、極めて薄い皮膜(金皮膜)しか得られません。また、置換めっきは被めっき物のほうが溶液中の金属(金)よりイオンになりやすい(卑なる)性質を備えていることが条件であって、その反応は溶液中に被めっき物の金属(ニッケル)が溶出することにより被めっき物上において電子(e-)の授受がなされ溶液中の金属イオン(金イオン)が金属(金)となって析出します。
貴金属めっきの構成成分

● 酸化還元電位
電子を放出しイオンになることを酸化と言いますが、酸化されやすいことつまりイオンになりやすいことをイオン化傾向が大きいと言います。逆に酸化されにくいことつまりイオンになりにくいことをイオン化傾向が小さいと言います。酸化還元電位はイオン化傾向の大小を表しています。金属の酸化還元電位は水素電極に対して貴な値を示すもの(貴金属)を+の記号をつけ、卑の値を示すもの(卑金属)に−の記号をつけて表します。この値は水素電極を標準の状態において二つの電極を組み合わせて電位差計で測定すれば出る値です。貴金属は酸化還元電位が高い金属です。

● 錯化剤
貴金属イオン(Au+,Pd2+,Ag+など)はイオンになっている状態が不安定であり、並みの金属と同程度の安定度にした状態でないとめっきしにくいのです。不安定な貴金属イオンをある程度おとなしくした状態(錯イオン)にするのが錯化剤です。

● 遮蔽剤
被めっき物の金属(ニッケル)が溶出しニッケルイオンとなりますが、これは妨害イオンと言いめっき液中で不純物となります。このニッケルが金とともにめっき皮膜にとりこまれないようにいわば押さえつけておく役割をするのが遮蔽剤です。

● 結晶調整剤
析出皮膜の結晶状態を変える(コントロール)役割をするもので、結晶のサイズ形状などを調整します。

● 界面活性剤
表面張力を下げることで表面がめっき液でよく濡れる状態にしておく役割をするものです。

● 酸化防止剤
めっき液中の酸素でも基板表面は酸化されてしまうので、酸化されないようめっき基材の表面を保護する役割をするものです。

※第2回は還元めっきの話です。

 
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