株主・投資家の皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。ここに当社第52期(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の概況についてご報告申し上げます。

事業環境

電子部品業界においては、インフレに伴う原材料の高騰や世界的な景気減速、コロナ禍で積み増していた在庫の適正化などの影響により、スマートフォンやパソコン向けの生産量減少に加え、クラウド/データセンター向けの投資抑制による生産調整が見られ、総じて需要が低迷しました。また、車載用電子部品については、自動車の電装化や電気自動車へのシフトに伴う最終製品1台あたりの搭載数増加による需要増ではありましたが、サプライチェーンの問題から一部の半導体で依然供給不足を解消することができず、自動車の生産調整が長期化し、緩やかな回復基調に留まりました。

当期の状況

当社におきましては、コネクター用めっき薬品の販売が貴金属含有品の売上が伸びたことで前期比増収となりましたが、プリント基板・半導体搭載基板用めっき薬品用、リードフレーム用めっき薬品の販売が前期に比べ大幅減収となりました。
その結果、売上高は16,254百万円(前期比13.1%減)、営業利益は567百万円(前期比52.8%減)、経常利益は753百万円(前期比43.7%減)、当期純利益は569百万円(前期比41.5%減)となりました。
最終用途品目別の状況は次のとおりであります。
(プリント基板・半導体搭載基板用)
プリント基板や半導体パッケージ基板に適用される貴金属めっき薬品は、スマートフォン向け、パソコン向け、クラウド/データセンター向けの不振によるメモリ用途等での減産の影響を受け、売上高は4,637百万円と前期比22.4%の減収となりました。
(コネクター・マイクロスイッチ用)
マイクロコネクター用硬質金めっき薬品の販売については、スマートフォン向けの減産の影響を受けたものの、貴金属含有品の売上が伸びたことで、売上高は3,165百万円と前期比6.1%の増収となりました。
(リードフレーム用)
リードフレーム用パラジウムめっき薬品の販売は、スマートフォン向けやパソコン向けの減産の影響を受け販売が低迷したことに加えてパラジウム価格が下落したことにより、売上高は8,261百万円と前期比14.1%の減収となりました。
(その他)
時計装飾用等の売上高は189百万円と前期比41.2%の増収となりました。

配当

当期は、中間配当40円、期末配当40円とさせていただき、1株当たりの年間配当金は80円となりました。

代表取締役社長 小島 智敬