3GeV高輝度放射光施設「Nano Terasu(ナノテラス)」

「NanoTerasu(ナノテラス)」について

「NanoTerasu(ナノテラス)」は、官民地域パートナーシップのもと、国の主体である量子科学技術研究開発機構(小安重夫理事長)と地域パートナー※1を代表する光科学イノベーションセンター(高田昌樹理事長)が建設・運営する放射光施設で、2024年度に宮城県仙台市の東北大学青葉山新キャンパス内で運用が予定されています。

極めて高輝度のX線を用いることで今まで見ることが難しかったナノメートル(10億分の1メートル)の世界を可視化し、超微細な世界を明確にすることができます。また、ナノテラスで測定されたデータを活用することで、会員企業の研究開発DXやGXを加速し、日本のモノづくりにおけるコアコンピタンスになることが期待されています。

※1   地域パートナー:光科学イノベーションセンター、宮城県、仙台市、東北大学、東北経済連合会

  • 外観写真 外観写真
  • 施設内写真① 施設内写真①
  • 施設内写真② 施設内写真②
  • 施設内写真③ 施設内写真③

(一財)光科学イノベーションセンター提供

参画の目的

当社は、これまで培ってきた表面制御技術やRedox(レドックス)制御技術の深化、東北大学をはじめとする学術機関との戦略的研究の推進、ナノテラスを利用する異業種企業との交流を行うことで、新たな技術の開発に繋がることを期待し、地域パートナーが運営するコアリション※2会員への加入を決定しました。

※2   コアリション(有志連合):光科学イノベーションセンターが産業界のコアリション会員に対し課題解決に繋がる学術専門家を斡旋することで結成される、次世代放射光を活用するための新たな産学連携の仕組みです。専門家がこれまで放射光と縁がなかった企業の課題と出口イメージを共有してサイエンス面を支援することで、新たなイノベーションを起こすことを目的としています。

期待される成果

具体的な成果として、溶液中の金属錯体構造やナノレベルの表面構造といったこれまでの測定方法では見えなかった状態の可視化が挙げられます。この技術を活用することにより、製品開発スピードの向上及び画期的な材料の開発等が期待されると考えております。

2023年度~2024年度の取り組み

2024年度の運用開始までの期間は、既存の放射光施設にて予備検討を行いました。2024年度はナノテラスにて測定を開始し、めっき液に関する有用な知見を得ることができました。