平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
当社では持続的成長に向けて、2030年度を最終年度とする中期経営計画を2022年7月に策定し、現在は2025年3月期までのフェーズ1の期間中にあります。
足もとの業績は市況の回復遅れや貴金属価格の変動により計画を下回って推移しており、自己資本利益率の水準も、今回推計した資本コスト(6~7%台)を下回る状況が継続しています。
一方、PBRにつきましては概ね1倍を上回っておりますが、十分とは言えない水準であると認識しています。
当社は、株主還元を経営の最重要課題の一つと位置付けており、長期的な成長と財務健全性のバランスを取りつつも、プライム市場上場会社として当面の業績に大きく左右されない一定レベルの株主還元について積極的に取り組む趣旨から、2023年10月に5%を下限とする自己資本配当率(DOE)を2024年3月期の期末配当より新たに導入することを決定いたしました。
また、資本コストを踏まえた中長期の自己資本利益率の目標を10%と設定するとともに、政策保有株式の保有方針を見直し、縮減し、成長投資や株主還元へ資金を有効活用していく計画です。
市場からの評価の分析や対応などについて、2023年7月より数度にわたり専門家を交えて開催している検討会議を「CX向上会議」と名付け、企業価値向上策をよりスピード感を持って推進してまいります。また、施策の具体的な内容につきましては、決定次第速やかに開示してまいります。
2025年度から中期経営計画RDD2030の第2フェーズが始まります。既存市場の市況回復の風に乗り遅れることなく、早期に成長軌道への回帰を果たし、REDOX技術を活用し新しい事業領域の創出を成し遂げ、中長期のROE目標10%の達成を目指します。
2024年7月
日本高純度化学株式会社
代表取締役社長 小島 智敬