当社はサステナビリティ基本方針に基づき中長期的に、環境・社会・ガバナンスの3つの観点から、当社が重要と考える課題(マテリアリティ)を特定しています。
経営上の重要課題(マテリアリティ)
1.環境にやさしい製品づくり
- ニッケル不使⽤、シアンフリー等の環境配慮製品の開発と製品化(継続)
- 酸化還元の知⾒を⼆次電池分野に投⼊すべく、複数機関と協⼒して評価を実施(継続)
- CSRガイドラインを改訂。
サプライチェーン全体における環境や人権への配慮を推進(FY24)
2.人的資本経営の推進
- 能動型自律人材を定義し、採⽤と育成に向けた新人事制度、評価制度、新しい働き方、教育プログラム等を整備(発展的に拡充)
- エンゲージメント調査による定点チェックを開始・継続
- 従業員のウェルビーイングを重視した成⻑支援・奨励制度や福利厚生制度を段階的に拡充(継続)
3.知的無形資産の質的向上
- 顧客との情報連携強化、サービス向上を⽬的にCRMを稼働(FY25〜本稼働)
- ワークフローや電⼦押印の導⼊により、ペーパーレスと情報の可⽤性向上を推進(〜FY24)
4.経営基盤の強化
- 社内/外の取締役、監査役および社外有識者で構成するCX向上会議を開催し、重要テーマの議論や進捗度合いの確認を適時に実施(2024年実績:12回 →拡大継続)
- サステナビリティ開示を充実(拡大継続)
有価証券報告書、CG報告書、CDP回答、公開HP掲載等
マテリアリティ行動計画
1.環境にやさしい製品づくり
貴金属や希少鉱物を使用する当社において、環境にやさしい製品づくりは1971年の創業時からの重点課題であるため、マテリアリティのうちでも特に重点的に取り組む課題としています。
なお、当社は製造工程をフォーミュレーション(調合)業務のみとしているため大きな製造設備は保有・稼働しておりませんのでエネルギー使用やGHG排出の絶対量は微少ではありますが、製品によるエネルギー分野への貢献だけでなく、使用量の削減についても真摯に取り組んでまいります。
①環境負荷低減につながる製品開発及び事業活動の推進
- 環境配慮型製品(穀物由来原料代替、ニッケル不使用、シアンフリー)について、個別の開発テーマごとに設定した製品化計画を達成(製品リリース)することを目標としています。
②めっき工程におけるエネルギー使用量削減
- 「GHF排出量削減:2030年スコープ1・2に関するカーボンニュートラルを達成する」ことと、研究開発設備の遮熱化や空調機器の更新など様々な省エネルギーへの取り組みを行い「エネルギー使用量削減:2030年度エネルギー使用量を2022年度(167t-CO2)比で20%削減する」ことを目標としています。
- 上記のエネルギー消費量削減施策のみではカーボンニュートラルは達成できないため、J-クレジット等の使用によるカーボンニュートラル実現も計画しております。
③めっきで培ったコア技術の応用によるエネルギー分野への貢献
- 展示会出展などを通じて提携先の選定を進め、2027年度までに電池材料・電解液メーカーとの共同開発に合意し、2030年度には生産・販売開始することを目指します。
2.人的資本経営の推進
当社は知識集約型・開発型の企業であり、人的資本が企業価値向上の源泉であるため、マテリアリティのうちでも特に重点的に取り組む課題としています。
社員が「能動型自律人材」(*1)へと成長し、ウェルビーイングのもとでその能力を会社の経営戦略と一致する方向で発揮することで、製品開発や営業活動をはじめとする事業活動が活性化され、当社事業が成長する機会になります。一方でこれが損なわれると成長機会を失うリスクとなります。また、従業員が安心して働くことのできる安全な職場環境の整備を行うことが従業員の働く意欲を高める基礎となるため、これを推進することが当社事業の成長につながる機会となります。一方でこれを怠ると成長機会を失うリスクとなります。
よって、当社の企業理念に基づく中長期ビジョンを実現するためには「人的資本経営の推進」が欠かせません。
この人的資本経営の推進を実現させるために、①企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成 ②能動型自律人材の採用と育成 ③働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備 という3つのテーマに沿って人的資本方針を策定し、サステナビリティ委員会の管轄のもとで実行しております。この方針のもとで、全従業員が主体的に経営に参画する企業風土を育み、人的資本経営の実現を目指します。
当中期経営計画期間(2025~2027年度)における進捗はエンゲージメントスコア等によりモニタリングしてまいります。
①企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成
- 経営層とコミュニケーションを取る機会の充実や、社長をはじめとした経営者からの情報発信を質量両面で拡充することにより経営への関心を高め、より主体的に経営に参画する企業風土を醸成します。
②能動型自律人材の採用と育成
- 人材投資を拡大することにより、能動型自律人材に相応しい賃金体系を維持・継続し続けることに加えて、成長に向けて必要な教育や自己啓発の機会を整備してまいります。また、キャリア採用を通じた多様性に富んだ職場環境によって社員の成長意欲を引き出すとともに、能動型自律人材の要素である挑戦、遂行、共働を促す仕掛けや実践する機会を増やしてまいります。
③働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備
- 社員のウェルビーイングにつながる諸制度・施策の充実、働き方の選択肢の拡大、1on1等によるキャリア支援の拡充等に継続的に取り組んでいきます。
- 育児休業については、現状、希望者は全員取得しております。今後も当社の福利厚生制度の説明の機会等において育児休業制度の周知と一層の浸透を図っていきます。「育児休業取得率」をモニタリングします。
- 女性管理職についてはキャリア採用と併せてキャリア支援プログラムによるサポートを検討・実行します。「女性管理職比率」をモニタリングします。
3.知的無形資産の質的向上
当社は知識集約型企業であり、製造業でありながら大きな製造設備を保持しておりません。事業活動において最も大切なのは人的資本であり、研究開発活動を通じて人材が生み出す「レシピ」や、50年以上に渡って顧客課題に向き合い解決してきた「ノウハウ」や「顧客との信頼関係」です。そういった無形の資産の可用性を高めるとともに機密の流出を防ぐ、攻めと守りの両面から取り組んでいくことが知的無形資産の価値の最大化につながるものと認識しています。昨今の知識集約型経済においてはこれらの無形資産が競争力の源泉となることから、継続的な投資と戦略的な対応が必要不可欠です。当社では主に情報システムの活用により知的無形資産の価値を高めることにより、持続的な成長と市場での優位性の確立を目指しています。
4.経営基盤の強化
当社は、持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、経営基盤の強化を経営上の重要事項として位置づけています。これは、中期経営計画の着実な実行を支えるモニタリングシステムの運営や、株主・投資家の皆様への情報開示の充実といった事業の拡大につながる施策のほか、製品の品質保証や安全管理の強化、情報セキュリティ事故の未然防止、調達リスクへの対応、職場の安全衛生の確保など、負の影響を排除し企業運営の根幹となる基礎的要素を含みます。これらを強化することにより、環境変化への柔軟な対応力を高め、リスクへの耐性を向上させるとともに、事業の安定的かつ効率的な運営が可能となります。特に昨今の経済・社会の不確実性が高まる中で持続可能な成長を遂げるためには、強固な経営基盤の構築が不可欠であると判断し、戦略的に取り組んでいます。